こう書くと歳がばれてしまいますが、あれは今から三十数年前のこと。
私は某三流大学の学生でした。
そろそろバブルがやってくるかという時期で、世の中は浮かれ、私もアルバイトで稼ぎ学生生活をおう歌していました。
私はロック音楽系のサークルに所属していたのですが、当時はまだ、「S〇X、ドラッグ、ロックンロール!」という風潮が色濃く、当然、大学を中退する部員も多い時代でした。
ちなみに私は6年かけて執念で卒業しました。
これからお伝えするのは、同じサークルの先輩で、私の兄貴分だった人にアムウェイと彼を洗脳した彼の最初の奥さんに振り回された日々です。
アムウェイ洗剤売って「一緒に幸せになろうじゃないか」
当時、その先輩は大学を中退後、出始めのころのレンタルビデオ店の雇われ店長をしていました。
そして、私は大学に籍を置き、そこで先輩と一緒にアルバイトしていました。
当時のレンタル料は、オリジナルマスターものが1泊1000円、ダビングものは800円という信じられない時代でした。
その店は東京都内のあまり治安の良くない場所にありましたが、それでも毎日、かなりの売上がありました。
そして、ある時、その店に25〜26歳の女性がアルバイトとして入ってきました。
彼女は、外見はあまりよろしくなく、性格も決して良いとは言えない感じでした。
少なくとも私はまったく、「女」として興味を持っていませんでした。
そして、どうやら向こうも貧乏学生はダメらしく、お互いに何もないまましばらくたちました。
そして、ある日、仕事の終わりに先輩のマンションに遊びによった時のことです。部屋に入ると、なんとその女性がいるのです。
そして、その周りには、使用済みのコン〇-ムやティッシュなどが散乱していました。
「しまった!忘れてた!〇〇さん、ブ〇専だった!」。
そう。その先輩は有名なブ〇専だったのです。
「あ〜あ、この人、またやっちゃったよ」と心の中で落胆する私に、彼はこう言いました。
洗剤売って「一緒に幸せになろうじゃないか」
アムウェイ先輩と彼女が連発する「ポジティブ」という言葉
「は?洗剤売って幸せになる?洗剤ってそんなにもうかるの?」いきなりの言葉に私の頭は整理がつきません。
そこに二人が追い打ちをかけます。
「アムウェイって知ってるか?これはすごいことなんだよ。世の中のみんなを幸せにしてくれる会社なんだよ。アメリカから来たんだ。今、彼女はそれで頑張ってるんだ。俺もやる。お前も一緒にやって幸せになろう」
そして、二人は僕にビデオを見せました。
なんかよくわからない内容でした。
外人さんがでてきて、しゃべりまくっている、なんか宗教っぽくもあり、インチキ臭くもあるへんなものでした。
そして、二人の怒涛の攻撃が始まるのですが、ふたりともやたらにポジティブという言葉を連発するのです。
そして、要するに、アムウェイとは、自分が親になって洗剤を売るグループを作ると、自動的にお金が入ってくるというものでした。
「これって、ねずみ講じゃないの・・・」私は心の中で、そう思っていました。
話はそれますが、私はこの件以外にもネットワークビジネスに振り回されたことがあるのですが、勧誘する人たちってとにかく「ポジティブ」という言葉を連発します。ポジティブ、日本語で言うと「前向き」ともいうのでしょうか。
確かに、良い言葉ではありますが、洗剤や健康飲料売りと前向きとはあまり繋がりませんよね。
怒られ、軽蔑されながら手伝わされる日々
その先輩は、ブ〇専であると同時に、結構単純なところのある人で、やばいと思った私は、すぐさま「僕は学生なんでできません」と答えました。
そうすると、「たしかにな。でも、手伝ったら、お前にもいい思いをさせてやるから」
後から考えると、どうやら彼女はすでに自分のグループを持っており、先輩や私にグループを作らせて自分の下に付けようというハラだったようです。
とにかく、先輩は店長仕事もおろそかになり、「車に洗剤を積んで、友人、知人を回る日々が始まりました。
そして、その助手席には私がいるのです。まずは、先輩と同期の人たちを回ります。
もちろん、相手にされません。次は、私と同期の者たちを回ります。
これももちろん、相手にされません。
中には、酒癖の悪い奴がいて、酔っぱらって、わざと絨毯に墨汁をぶちまけ、「〇〇さん、その洗剤すごいんでしょ?だったら、これキレイにしてよ」という強者もおりました。
このように、ほとんど成果はありません。
しかし、彼らのいら立ちの矛先は私に来るのです。
先輩は、「ダメじゃないか!もっとポジティブにならなきゃ!」と怒りますし、彼女は「この人使えなぁ〜い」となじります。
「だから、俺はやる気ないんだってば!」心の中で何度そう叫んだことか。
しかし、文系の大学でも結構縦社会なので、あまり先輩にはさからえないのです。
そして、そのうち二人は結婚しました。
アムウェイ先輩・結婚、離婚、マンション家賃+500万円の慰謝料
先ほども書きましたが、縦社会なので先輩には逆らえないのですが、先輩がその彼女と結婚するといったときは、さすがに反対しました。
すると先輩は「これは愛なんだよ。二人でアムウェイで幸せになるんだ」と相手にしてくれません。
その後、二人はやはりうまくいかず、先輩は別のブ〇女との浮気がばれ、離婚に至りました。その時の慰謝料が500万円+彼女のマンションの家賃2年分というものでした。
とんでもない女でした。
そして、人を不幸にするビジネスでした。
先輩が夜も昼も寝ずに働いていた姿を今でも思い出します。
そして、中高年になった先輩は、アムウェイの「ア」の字も言いません。
アムウェイに勧誘された方はこちらのサイトを参考に